ペルチェモジュールとは

ペルチェモジュールの概要と原理についてご紹介致します。

目次

ペルチェモジュールとは

ペルチェモジュールは、p型熱電素子とn型熱電素子が対となり複数対、電気的に直列に接続するように配置され、セラミック基板とで構成されたモジュールです。
ペルチェ素子、熱電素子、サーモモジュール、TECとも呼ばれています。一般的なペルチェモジュールの大きさは、2×2mm~62×62mmまで様々あります。

ペルチェモジュール構造

ペルチェモジュールの原理

ペルチェモジュールに直流電流を流すことによって、一方の面が吸熱(冷却)し、反対の面から放熱(加熱)されます。また、直流電源の+極と-極を逆に接続することにより、吸熱(加熱)、放熱(加熱)の面を反転させることができます。ペルチェモジュールはこのような動作をする小型のヒートポンプモジュールであり、流す電流の量によってヒートポンプ量を制御し、冷却動作も加熱動作もできるので、精密な温度制御を行うことができます。この現象はペルチェ効果と呼ばれ、フランスの物理学者ジャン・シャルル・ペルチェ(Jean Charles Peltier)によって1834年に発見されました。発見当時は異なる2つの金属が使用されていましたが、現在は熱交換効率の良いp型半導体とn型半導体が使用されています。

ペルチェモジュール吸熱・放熱

取扱いについて

取扱い上の注意

機械的な衝撃を加えますとセラミック基板や熱電素子、接合部等が破損しますので、落下等には十分に気を付けて取り扱って下さい。

リード線の断線を防ぐためにリード線のみを持って取り扱わないようにして下さい。また、リード線を引っ張ったり、ペルチェモジュールとリード線の接合部付近を無理やり曲げるような負荷をかけないようご注意下さい。

圧縮応力には比較的強いですが、引きはがし応力には弱いため、ペルチェモジュールが支持部材となったり、機械的な構造部材となるような設計は避けて下さい。

保管環境

保管の際は、直射日光の当たる場所、水漏れや結露等の恐れのある場所は避けて下さい。長期間、高湿度の環境下に曝されますと、劣化の原因となります。推奨保管温度範囲は5~35℃、保管湿度範囲は20~50%RHとなります。

熱交換器への取り付け

ペルチェモジュールはヒートシンク等の熱交換器に取り付けてから通電して下さい。熱交換器に取り付ける前に通電すると、ペルチェモジュールの温度が急激に上がり故障の原因となります。

ペルチェモジュールの性能を十分に発揮させるために適切な放熱器を選定して下さい。また、放熱器、冷却板等の熱交換器部品と組み立てる際には、ペルチェモジュールと熱交換器部品との接触面は十分に洗浄し、熱伝導材料を介して設置して下さい。

動作中の熱交換器に熱によるゆがみが発生しますと、ペルチェモジュールに偏荷重がかかり故障の原因となります。適切な取り付け方法の設計と設置を行って下さい。必要に応じてサポート致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

電源と通電時の注意点

ペルチェモジュールを動作させるために直流(DC)電源を使用します。性能を十分に発揮させるために、電源のリップルは10%以内を推奨しています。

ペルチェモジュールのリード線への接続極性+・-と、吸熱(冷却)・放熱(加熱)の向きを確認してから設置し通電して下さい。接続極性が不明な場合はお問い合わせ下さい。

最大電流値、最大電圧値を超えて通電しないようご注意下さい。

結露対策

水分が付着しやすい環境での使用を検討している場合は、オプションのシールを施したペルチェモジュールを使用して下さい。

オプションのシールを施していないペルチェモジュールを使用する際には、金属の物体がペルチェモジュールの側面から入り込み熱電素子に触れないように気を付けて取り扱って下さい。通電中に金属の物体が触れるとショートしてしまい、故障の原因となります。

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